英語学習に関する誤解①リスニング、スピーキングの練習をとにかくたくさんすれば英語力が伸びる

日本人が英語を習得するのに3000時間はかかることからたくさん英語の練習をする必要があるというのを否定する人はなかなかいないでしょう。

ただ、どれだけ練習をしても学習者の注意が割かれておらず、”気づき”を得られないままただ闇雲に行っていても英語力は伸びないのも事実。

例えばリスニングで、単語/文法の土台が全くなく何を言っているのか分からないほどの難易度なのにそれを聞き続けてもリスニング力は伸びないでしょう。

同様にスピーキングでも単語や文法の知識をフル活用して苦戦しながら分を組み立ててスピーキングすることなく上達は難しいでしょう。

結論英語学習においてインプットだろうとアウトプットだろうと”気づき”を意識するのが大事になっていきます!

この”気づき”とはもう少し詳細になんなのか、どうすれば得やすいのかを書籍”Second Language Acquisition Myths: Applying Second Language Research to Classroom Teaching”を参考にしながら見ていきましょう。

目次

言語習得における”気づき”とは

第二言語習得論においてSchmidtによってNoticing Hypothesis(気づき仮説)が提唱されたのがまず始まりでした。これはSchmidt自身がポルトガル語の勉強、ネイティブスピーカーと話しているときの経験がもととなっています。

Schmidtがある文法の間違いにおける改善が全く見られなかった一方、文法を教えられ、実際に使われている場面を”気づき”が起こるほどたくさん耳にし、知識と実践のつながりを作ったときには文法を習得でき、アウトプットすることが出来たという経緯がありました。

心理学的にも気づきや注意を払うことが学習の基礎的な部分であるので言語習得においてもそれはそうそうだと言われそうですね。(American Psychological Association, 2017)

アウトプットをすることが”気づき”につながる

Schmidtはインプットから気づきを得ていましたがアウトプットも気づきを得るうえで大いに役に立ちます。

アウトプットの利点としては

  • アウトプットはインプットよりも深い処理をするため頭に残りやすい
  • アウトプットは自分が言いたいことと言えないことのギャップに気づかせてくれる

なんかが挙げられます。

とはいえ英語学習を始めたばばっかりの初学者にはアウトプットしながら気づきを得るのはなかなかしんどいところがあると思います。

頑張ってアウトプットしても「何が分からないのか分からない」という状態に陥ることもあるでしょうし単語を思い出すだけでも精一杯ということもありそうですしね。

なので中級者以上のほうがアウトプットによる恩恵は受けやすいと個人的には思いつつ、初級者には「文法のお題を与えた状態でアウトプットしてもらう」や、「録音や文字起こしで後から自身のアウトプットを振り返る」といったやり方なんかも良いのではと思います。

インプットでの”気づき”

書籍”Second Language Acquisition Myths: Applying Second Language Research to Classroom Teaching”ではインプットでの気付きを得る為の方法が紹介されていますがいずれも教師→生徒という構図が基本となっており個人単位で実践するのは難しいところがあります。

なので個人で実践できるポイントとしては

  • 内容がおおむね理解できる
  • 内容に興味がある

この2点を抑えると気づきと英語学習のバランスが取れるのではないかと思います。

まとめ

  • インプットもアウトプットも”気づき”を得ながらするのが大事!
  • とはいえちゃんと気づきを得やすいやり方を試してみてね

個人的にも中学時代、英語の試験で赤点常習犯だった僕が英語が少しずつできるようになっていったのも洋楽を聞き始めて、そこで”気づき”を得ていたからかなぁと思います。(wake up meの語順じゃなくてwake me upになるんだな、wantedの発音tがなくないか?、used to love herってあるけどused toは昔していたことを表す表現だったよなetc.)

皆様も学習する際はいろんな気づきを意識して進めていただければと思います。

参照:

https://www.apa.org/ed/schools/teaching-learning/top-twenty/thinking-learning

Brown, S., & Larson-Hall, J. (2012). Second language acquisition myths. University of Michigan Press.

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